宇佐美まこと 『愚者の毒』

ぐしゃ

(ネタバレしてます)

これは傑作だと思います。

一応ミステリの体裁をとっているので、
引き込まれて読みやすい。

ただ人物入れ替わりとかはすぐに見当がつく、
というか途中で明かされるし、
男性介護士の正体にも気づく。

作者が書きたいのは
地獄のような生活から抜け出すために罪を犯した男女の運命。

武蔵野での綱渡りのような、でも一瞬とはいえ家族のように
心が通い合っていた生活が切ない。

サイコパスの悪意にはぞっとしたが、
難波先生の存在と、
その精神が達也の中に生きているということが救い。

ユウの最期の気持ちって、
赤江瀑の短編「金襴抄」(『春泥歌』に収録)に出てくる
母親の気持ちに近いんじゃないかな、と思った。

赤江瀑には炭鉱事故の悲劇を扱った「冬のジャガー」
(『野ざらし百鬼行』収録)もあるのを思い出した。



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